ねずみの家をデザインしよう!

2023.6.18 参加者 小学生13名

天王寺にある一心寺さんの南会所にてワークショップを行いました。

今回のワークショップはアメリカのニューメキシコから日本に引っ越してきたねずみのリオ君が家を建ててほしいとお願いしているという設定で、家の模型を作るワークショップです。


まずはネズミのリオ君からの手紙を紹介。天王寺公園はどういう場所か、なんで天王寺公園が気に入ったのかを説明しました。

引き続き、ゲスト講師の酒井敦子さん(南フロリダ大学 ジュディゲンシャフト オーナーズカレッジ教育専門準教授)から、リオが住んでいたニューメキシコの風景やアドビ建築というものはどういったものか、の説明がありました。



バブルダイヤグラム

つぎに、バブルダイヤグラムという設計の手法を用いてプランを考えていきます。

もう一人の講師である渋谷セツコさん(建築と子供たちネットワーク仙台・JIA登録建築家)からバブルダイヤグラムについてホワイトボードを使って説明がありました。

どんな部屋が必要かな、部屋と部屋のつながりの表現は矢印を使うこと、などを学びました。

実際に描きだすと、ねずみだからお風呂はいらない、外で汚れたらお風呂にすぐいける、リビングにはきれいになった状態で行けるようにする、食品庫を外に置きたいとか、いろいろな考えが出てきて、プランが出来上がりました。

模型作り


バブルダイヤグラムが終わったら、模型作りに入ります。

今回の模型はアドビ建築を模して、茶色い粘土を使いました。

アドビ建築とは、ニューメキシコに実際あるネイティブアメリカンの人々が昔から作る伝統的な建築です。日干しレンガを使う環境にやさしい建築でもあります。

今回は、時間的な理由から粘土をブロック状にするのはお手伝いボランティアの大人の皆で事前に作成しました。それはまさに粘土工場でした。


粘土以外にもいろんな材料を用意しました。

バルサ材やコルクボード、割りばし、折り紙、画用紙、枝材など。

それらを材料置き場において、好きな時に取ってこれるようにしました。

壁は粘土で作るので、茶色い粘土の積み方を指導しました。

入口を造るときは上に割りばしをまたがせると崩れないよ。これは建築ではまぐさといいます。と渋谷先生。


説明を聞いたら、早速作り始めます。

まずは壁から作ります。

渋谷先生にもらったネズミのサイズを参考にどんな大きさにするか、考えて進めます。

今回はA3のスチレンボードをそれぞれの敷地としました。

壁がだんだん積みあがってくると、今度は屋根をどうしよう。となります。

大人スタッフの力も借りながら、1時間の製作時間をいっぱいにつかって、大人も子供も一生懸命になっていました。タイムキーパーの「あと10分~」という時間の掛け声に、「終わらない~」なんて言いながら、みんなで作業を進めました。


最後の10分は大人も子供も一生懸命作業に取り組む様子が見られました。

必死に完成まで進む皆の姿は、まさに建築学生時代を思い出す瞬間でもありました。

終わらないかもしれないけど、最善を尽くす。

結果、どれも個性的で素敵な作品が出来上がりました。

最後はそれぞれ発表して終了しました。

どういう工夫をしたかなどを講師から質問されるとみんなきちんと発言していました。

たとえば、ねずみさんが屋根に上れるようにロープを張ったとか、バリアフリーを意識したというような発言から、屋根に耳の形のオブジェを乗せたり、意匠的に楽しいものにした子もいました。

どういう理由があるのか、きちんと聞くことがとても大事だと思ったとともに、

みんなのイキイキとした顔や発表の様子が、やってよかったな、と思った瞬間でした。

最後に、アンケートでいただいたみんなの感想を一部ご紹介します。


壁を作るのがむずかしかったけど、ネズミの家を作れてとても楽しかった。

庭にバーベキューを作って工夫しました。

いろんな草やレンガを使ったのがうれしかった。

とてもイベントを楽しみ、帰ってからもねずみの家をさらにアレンジするイメージを膨らませていました。(親御さん)


A+CデザインLABO関西

建築デザイン手法を使った教育プログラムを利用して 誰でも参加可能なワークショップを実践しています

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