デザインで遊ぼう!初級編in常徳寺

デザインで遊ぼう!と題して、大阪市東住吉区にある常徳寺さんでワークショップを行いました。


今回、知り合いのKさんにご紹介いただき、常徳寺さんでのワークショップが実現しました。

常徳寺さん住職ご夫妻は、お寺を子供たちに利用してもらい、楽しく色々な学びがあることを望まれていました。

ご夫妻の素敵な想いを直接お聞きし、実際に言葉で説明するより、受けてもらうことでこの建築デザインワークショップを実感してほしいなと思いましたので、初級編を実施させていただくことになりました。



毎回、最初はお経をみんなで読むとこからスタートします。



1回目 「視覚言語とコミュニケーション」2022.12.12  参加者 小学生17名


まずは、建築って?建築家って?ということを説明しました。

みんな、知ってるーっていう反応。嬉しいです。

視覚言語としてシャボン玉とねじまきおもちゃの仕組みを描いてもらうワークショップです。

まずは何回かシャボン玉をふきます。おもちゃも机の上で動かして動き方をよく観察します。

みんな、シャボン玉など動くものは好きですね。あっちいった、こっちいったと楽しそうでした。

実際に描いてもらった一部を紹介します。


目に見えないものを形(丸や矢印など)で表現することは建築家もよく使います。

考えを整理したり、他人(お客さんや工事する人など)に伝える手法です。


子どもたちは自由な発想からどんどん描いてくれました。

特に、高学年の女の子たちの表現が豊かで驚きました。

低学年の子たちも勢いよく動きを描いてくれて、とっても楽しいWSになりました!


2回目 「形のあるもの 形のないもの」2023.3.12 参加者 小学生22名

空間の広がりを使ったこのワークショップは、建築では壁や床があって、その先は見えないですが、窓や吹き抜けなどがあることで空間が広がります。視認性が広がることで広い空間に感じるわけですが、空間は目に見えません。建築家は目に見えないものを創造して考えるわけです。

これを、きいろいとりさんを使って説明をしました。

左の画面は黒い紙が貼ってあって、とりさんは見えません。

右はそれがないとこちらからもとりさんが見えます。これが空間の広がり=拡張ということです。

黒い紙をまる・さんかく・しかくで好きな形2種類を選んではさみで切ります。

その黒い紙を好きにはさみで切り、白い紙に貼りつけていきます。

スキマを開けて貼ることで、元の形から拡張します。

色々な形が生まれます。

以下、作品の一部です。


<参加者のアンケート>※抜粋

最初は適当にきっていたら、色々な形に見えてきてとてもワクワクして楽しかった。

いろんな形を表現できた!

どんな形にするか考えるのがむずかしかったけど、色々な形ができて楽しかった。とりみたいな形になってうれしかった。




3回目 「デザインパターンってなあに?」2023.4.23 参加者 小学生23名


今回はお寺を飛び出し、近くにある長居公園で自然物の観察をしました。

大人のボランティアお手伝いさんに来ていただき、4グループに分かれ、子どもたちも年長さんはリーダーになってもらいました。

まずはお寺でデザインパターンについて学びます。

らせん、放射など、自然の中にはたくさんの形があります。

それらを公園に行って探すのが今回のワークショップです。

きちんとメモしてる!えらい!


それでは、公園に出発!

木の皮もいろんな模様が見えます。ルーペを使ってよく観察します!

よく観察したら、見つけた形を描きます。


観察してきたものをお寺に帰ってからチームごとに模造紙に描いてもらいました。

最後はチームごとに発表しました。

楽しさがあふれていますね。

<参加者のアンケート>※抜粋

いろいろな形をさがせて楽しかった

普段みなれている植物も、たくさんの形がかくれていたり、形にもたくさんの種類があっておどろいた。

ルーペではっぱの模様や木の形が大きくみえたので楽しかった。

家に帰ってから、見て!とデザインパターンを描いた紙とノートを見せてくれて、楽しみながら学んだ様子が伝わりました!(親御さん)

ただ単に季節の植物を覚えるだけでなく、植物観察のきっかけになり、いつ、どこで、どんなふうに植物が育ち、そしてそれがどんな環境に影響するのかなど、多方面から考えるきっかけになるイベントだと感じました。(親御さん)


4回目 「野菜の断面図を描こう!」2023.7.9 参加者 小学生22名

このワークは断面図を描いた後に、好きな部分を拡大して描くことで断面図と拡大図を学び、

拡大図は野菜を忘れてクレヨンで好きな色で描いてもらうというもの。

想像していた絵ではないものができることがほとんどで、それはまるで抽象画のようになります。

今回はとうもろこし、みょうが、オクラ、パプリカ、キウイ、たまねぎなどを各テーブルに置いて好きなものを選んでもらい、断面図を描くときはルーペを使いました。

断面図は絵のほかに引き出し線で気になったものを文字で書きます。

みんなよくよく観察して描いてくれてました。

出来た作品の一部を紹介します。

とても楽しい作品がいっぱいできました!

もちろん、最後はみんなでできた作品を発表して終わりました。

<参加者のアンケート>※抜粋

つぶつぶのところが楽しかった。むずかしかったところは色使い。工夫したのは形です。あと、まるいところや線です。

野菜の断面図は楽しいし、色を変えるととてもおもしろい絵になりました!

むずかしかったところは薄い線がむずかしかった。楽しかったところは発表です!

ほとんど毎回参加していますが、今回が一番楽しかった!手に力をこめてかいたら、よりよい作品になりました!


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ワークショップを終えて


このカリキュラムはアメリカの教育者であるアンテイラー先生のメソッドに基づいたものです。アン先生は子どもたちが海岸で貝拾いをした時に、小さな子でも好きなものを選んでいることに気づきます。それはどんな子でもデザインに対して感覚を持っているということでした。そういう感覚を育むことで創造力豊かな大人になってほしいという素敵なテーマが入っています。


建築デザインは、科学、テクノロジー、工学、芸術、数学を含み、建築を利用したデザイン教育は、まさにSTEAM 教育そのものであり、教育関係だけではなく多くの建築関係者とつながり、子どもたちにデザインの楽しさを体感してもらうことを大切にしています。


地球というこの惑星に生きるすべての人々は、自分たちを取り巻く自然環境と人工環境に生きています。そして建築は人工環境にとって欠かせないものです。
建築家が建物をデザインするときに用いる創造的な問題解決の方法を利用しながら、建築と人工環境について学習することは全ての人にとって有益です。
美しい建築を作り出そうという私たちの努力の源になるのは、私たちの人工環境に対する意識だからです。


自己紹介や作品発表なども、無理強いはしませんでしたが毎回行いました。最初はみんな嫌だ~って言ってましたが、できた作品をみんなに見せることはとても楽しいことのようでした。

作品発表のときは、どう考えたのか、どうなったのか、どう感じたのか、好きか嫌いかなど、積極的にこちらから質問するようにしています。

子ども自身の考えを発言してもらいたいのと、そうすることで気づくことがたくさんあるんです。

この常徳寺でのワークショップは、お寺という環境のせいか、子どもたちの学びたい!っていう意識が強いように感じて、やる側としてはとっても嬉しかったです。

特に、アンケートの回答にはデザインや建築に興味を持ったとか、将来デザインや建築の仕事したいとか書いてくれた子もいたほどです。


最後にですが、ボランティアで参加いただいた大人の方々、場所と機会を提供していただいた常徳寺さんに感謝です。

ありがとうございました。








A+CデザインLABO関西

建築デザイン手法を使った教育プログラムを利用して 誰でも参加可能なワークショップを実践しています

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